キッチン | ||||||||||||||
リウマチ患者さんは、手指の変形のために、つかむ、つまむ動作が苦手です。重い物が持てない、高い、低い所に手が届かない、長時間立っていられないなどの問題もあるため、調理は大変な作業です。 | ||
<設備と空間> 調理台は物を横に滑らすことができるように段差を作らない配慮が必要です。 | ||
調理台は段差がない方が良いです。 | 座ったまま調理ができるキッチン | |||
椅子に座ったまま調理をする場合には、横方向に移動できる足元スペースが必要です。 | ||
水栓やコンロのスイッチの形は大きめで出っ張りのある方が押しやすいですが、センサーやフットスイッチなども考えられます。いずれも握りこぶしや腕全体で操作できると良いですが、やむを得ず手指を使うものは、軽い力で扱え、手指の変形を考慮した大きさや形状にします。 | ||
タッチ式水栓 | 引出し式のホースがついたものも便利です。 | |||
また、換気扇のスイッチや水栓金具などの設備、キャビネットの収納棚は、本人の手が届く範囲を考慮して配置する必要があります。下段の収納は、開き戸では奥のものが取り出しにくいので引き出し式にすると良いでしょう。 | ||
電動で昇降する吊り戸棚 | ||||
収納棚が引出しの方が奥のものを取り出しやすく、使いやすい。 | ||||
キャビネットの把手などは手や指に負担をかけず、手全体で扱えるように棒状ハンドルなどにしましょう。 | ||
キャビネットなどの把手は、左の例ような棒状のハンドルが使いやすい。右の例は指先だけで引き出すため使いにくい。 | ||
<調理道具> 手指への負担を軽くするトング、L型の包丁、桐材などの軽いまな板など調理道具を工夫する他に、軽い鍋や食器、リーチャーや自助具を使用すると良いでしょう。 | ||
トングいろいろ | ||
UDグリップは柄の角度を自由に変えられる包丁です。 | ||
牛乳パックホルダーは両手で持つにも取っ手があるので手に引っかかり、持ちやすい。 | 持ち手の方向を変える自助具。 | |||
吸盤で固定できるスウェーデン製のピーラー | ||
片手で使えるブラシ | ||
ミニスライサー | ||
<電化製品の活用> 電子レンジ、フードプロセッサー、電動ドア式冷蔵庫、食器洗浄機等の電化製品を活用して、手指を使う作業を少なくすることができます。 | ||
軽くタッチするだけで扉が開く冷蔵庫 | ||
<広さ> 広さについては、動き回る必要がなく手の届く範囲にものが置かれているなど、狭さが有利な面もありますが、場合によっては、椅子や車いすでの作業や介助者と一緒に作業をすることを考えてスペースを確保する必要もあります。 | ||
<事例紹介> 広くつくったキッチン。 | ||||