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玄関アプローチ・駐車場

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玄関アプローチの整備は、道路から玄関までの経路、距離、高低差を検討しますが、車いすの使用や杖による歩行など移動の状況を考慮して総合的に検討してみましょう。
特に注意したいのは、バリアフリー=スロープと考えがちですが、リウマチ患者さんにとってはスロープが逆にバリアになることがあることです。

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<段差の解消>

1.階段

高齢の方に配慮した階段は、一般的に踏み面(ふみづら)30cm~33cm、蹴上げ(けあげ)11cm~16cm(蹴上げと踏み面を足して45cm前後)を確保しますが、リウマチ患者さんで、膝などが曲がりにくい場合は、蹴上げはできるだけ低く、緩やかな階段が望ましいです。

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アプローチ階段の事例
踏み面は40cm、蹴上げは14cmです。

踏み面と蹴上げ

2.スロープ

スロープを設置する場合には、道路から玄関までの高低差と必要なスロープの勾配から、スロープを設置できるスペースがとれるかどうか考えます。

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スロープを設けるためにどれくらいのスペースが必要か検討してみましょう。
例えば30cmの段差に1/15勾配のスロープを設けるには、30cm×15=450cm(4.5m)の長さが必要になります。

一般的にバリアフリー=スロープと思われがちですが、歩くことができるリウマチ患者さんにとっては、スロープの勾配はかなり緩やかでないとむしろ歩きにくいです。1/15~1/20程度の勾配がとれなければ、緩やかな階段に手すりを設けた方が使いやすい場合もあります。
車いすの場合、門扉や出入り口前には150cm以上の平坦なスペースを設け、方向転換するための踊り場などを考慮します。
動線(経路)も重要なポイントです。距離が長く遠回りになると、歩いて利用する場合には、使われなくなることもあります。

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玄関と駐車場をスロープで行き来できるようにした事例

3.段差解消機など

車いすの使用や膝や股関節の動きが制限されて階段の昇り降りが難しい場合で、敷地にスロープを設けるスペースがないときには、段差解消機を設置する方法もあります。
設置スペースは幅75cm~1m、奥行き1m~1.2m程度必要です。
また、既存の外階段にいす式階段昇降機を設置することもできます。

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段差解消機

車いす階段解消機

いす式階段昇降機

<手すりの設置>

階段やスロープには手すりをつけましょう。
高さは80cm程度が一般的ですが、リウマチ患者さんの場合は個別の対応が必要です。
肘が伸びないなど上肢の可動域に制限がある場合、90cm~1m程度と高めの方が良い場合もあります。

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屋外用手すり

写真の手すりの高さは85cmですが、肘が載せられる位の高さが良い場合もあります。

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手すりは細めの方が握りやすいです。

<駐車場>

傘を差す、荷物を持つなどの動作が難しく、特に車いすの使用や杖での歩行の場合、駐車場から玄関まで、できれば雨に濡れないで行けるような駐車場の配置や屋根の設置を検討してみましょう。
また、駐車場の幅は、車いすを使用する方の場合は3.5mが必要です。

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駐車場(上部はバルコニー)から玄関ポーチまで雨に濡れずに行き来できるよう配慮した事例

<別に出入口を設ける>

玄関と道路、駐車場との距離が遠かったり、高低差があるような場合、出入り口としてリビングなどの掃き出し窓を利用することも考えられます。

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