nasu2
tomato2
ninjin2horenso2afry
b12

キッチン

a1d1a1a1

リウマチ患者さんは、手指の変形のために、つかむ、つまむ動作が苦手です。重い物が持てない、高い、低い所に手が届かない、長時間立っていられないなどの問題もあるため、調理は大変な作業です。
また、力の要る作業は手や指の痛みや変形をさらに悪くしますので、注意が必要です。
関節リウマチは女性で、かつ、家事を担わなければならない年代で多く発症するので、キッチンの住環境整備は特に積極的に検討してみましょう。
しかし、調理には物理的な環境整備をしても、改善が期待できないことも多いので、介助者のサポートや配食サービスの利用、また、家族などの理解も含めて、必要に応じて総合的に考える必要があります。

a1d1a1a

<設備と空間>

調理台は物を横に滑らすことができるように段差を作らない配慮が必要です。
収納は物を重ねて重くならないように、引き出し式にしたり、立てたり、吊ったりして収納するとよいでしょう。

DSC0648aDSC0638

調理台は段差がない方が良いです。

座ったまま調理ができるキッチン

DSC0668DSC0598

椅子に座ったまま調理をする場合には、横方向に移動できる足元スペースが必要です。

水栓やコンロのスイッチの形は大きめで出っ張りのある方が押しやすいですが、センサーやフットスイッチなども考えられます。いずれも握りこぶしや腕全体で操作できると良いですが、やむを得ず手指を使うものは、軽い力で扱え、手指の変形を考慮した大きさや形状にします。
また、壁は力を使わず掃除しやすいものが良いでしょう。

DSC0603DSC0622

タッチ式水栓

引出し式のホースがついたものも便利です。

また、換気扇のスイッチや水栓金具などの設備、キャビネットの収納棚は、本人の手が届く範囲を考慮して配置する必要があります。下段の収納は、開き戸では奥のものが取り出しにくいので引き出し式にすると良いでしょう。

DSC0688
DSC0718

電動で昇降する吊り戸棚

収納棚が引出しの方が奥のものを取り出しやすく、使いやすい。

キャビネットの把手などは手や指に負担をかけず、手全体で扱えるように棒状ハンドルなどにしましょう。

DSC0823DSC0825

キャビネットなどの把手は、左の例ような棒状のハンドルが使いやすい。右の例は指先だけで引き出すため使いにくい。

<調理道具>

手指への負担を軽くするトング、L型の包丁、桐材などの軽いまな板など調理道具を工夫する他に、軽い鍋や食器、リーチャー自助具を使用すると良いでしょう。
お盆で配膳することが難かしい場合は、キャスターつきのワゴンなどで運ぶことも考えられます。

DSC1283

トングいろいろ

DSC1113DSC1111

UDグリップは柄の角度を自由に変えられる包丁です。

DSC1244DSC1043

牛乳パックホルダーは両手で持つにも取っ手があるので手に引っかかり、持ちやすい。
(事例はBRIXのミルクホルダー)

持ち手の方向を変える自助具。
すりこぎにつけてみました。

bdf29b1a0

吸盤で固定できるスウェーデン製のピーラー
吸盤でしっかり固定でき、ガタガタすることはありません。
切り口はざらざらしていますが、切れ味はまずまず。
片マヒの方にはもっと役に立ってくれそうです。
(輸入販売:株式会社モノ・ウェルビーイング

DSC01801

片手で使えるブラシ
ジャガイモやにんじんなど泥のついた野菜を洗うのに、一方の手にジャガイモ、もう一方の手にはタワシということになると思いますが、片手で洗おうとする場合には吸盤付きのタワシが便利です。シンクの壁に取り付けて使えば、泥水が飛び散って、周りを汚すこともありません。
(輸入販売:株式会社モノ・ウェルビーイング

DSC04064

ミニスライサー
一般製品ですが、小さくて軽いのでとても持ちやすいです。ネギなどの薬味やキュウリのスライスに便利です。

<電化製品の活用>

電子レンジ、フードプロセッサー、電動ドア式冷蔵庫、食器洗浄機等の電化製品を活用して、手指を使う作業を少なくすることができます。
硬い野菜は電子レンジで少し火を通してから切る、みじん切りはフードプロセッサーを利用するなどの工夫をすると良いでしょう。フードプロセッサーは重くて扱いにくかったり、洗いにくいものがあるため、注意して選ぶ必要があります。
また、冷蔵庫は手が届く高さのものを選び、その他の電化製品は手の届く範囲に設置しましょう。

DSC1023DSC1024

軽くタッチするだけで扉が開く冷蔵庫

<広さ>

広さについては、動き回る必要がなく手の届く範囲にものが置かれているなど、狭さが有利な面もありますが、場合によっては、椅子や車いすでの作業や介助者と一緒に作業をすることを考えてスペースを確保する必要もあります。
椅子や車いすで作業する場合には調理台の高さや足下の空間を考慮します。現在は歩ける方でも、症状が悪化してそれが難しくなる可能性があります。また、その後人工関節により再び歩くことが出来るようになる等、長期的に体の状況が変化していくことが考えられます。
それらを考慮して、移動可能な家具で仕切っておいて、後から広さを変えることができるようにするといった方法も考えられます。

IMG0489IMG0507

<事例紹介>

広くつくったキッチン。
はじめの頃は一人で調理していたため、広すぎると感じたそうですが、その後、ヘルパーさんと一緒に調理するようになり、広くしておいて良かったとのこと。
身体の状態が悪くなっても、好きな料理を続けられました。

IMG0494
a1d1a1
d1a1b1ac1
a1a1
d1ba1c
a1b1
a1a1a
トップ